沖縄古民家の「賃貸物件」は、なぜ少ない?どう探す?

沖縄に賃貸の古民家物件はなぜ少ない?どう探す?

おそらく、このページにたどりついたあなたは、沖縄で古民家暮らしをしたい!と思っているのでは?けれど、沖縄には古民家物件が非常に少ない。

しかも、古民家の「賃貸物件」となると、さらに少なくなる。あったとしても異様に高い。さぁ、どう探そう?


この記事は、沖縄の古民家物件を探すうえで役にたつように、3つのシリーズで構成しました。古民家物件を検討中であれば、参考になるはずです!

沖縄古民家のリアルを知ろう!

沖縄古民家の特徴を知ろう!
築70年の古民家暮らしの実情!デメリットも知っておこう
3 古民家は賃貸がオススメ!だけど物件が少ない…どう探す?(この記事)

沖縄古民家の「賃貸物件」どう探す?

国頭村の集落
私が住む国頭村の集落

古民家のメリットといえば、安さ!けれど、沖縄の古民家物件は決して安くはない。この記事に辿り着いたあなたは、「古民家を安く借りたい!」と思っているはずだ。

その方法をお伝えする前に、まずはリアルな物件数を見ていただきたい。

 

沖縄の「賃貸古民家」リアルな物件数!

「古民家」に明確な定義はないが、一般的に築年数が50年経っていて、木造や瓦葺き屋根などの伝統的な建築物を「古民家」という

ということで築50年経過している戸建て物件は、沖縄本島にどれぐらいあるのか?リアルな数字を出してみた。

沖縄の物件数ナンバー1でもあるグーホームで調べてみた。まずは、下記の表からご覧いただきたい。

 

「北部エリア」の古民家物件数

自然豊かな北部エリア
自然豊かな北部エリア
 北部エリア  古民家 賃料(間取り)
国頭村0
大宜味村0
東村0
名護市210万(2DK)・6.5万(4K)
今帰仁村0
本部町0
恩納村0
 宜野座村 0
金武町0
合計2
※2021年12月23日現在


まずは、北部エリアから見てみよう。戸建ての賃貸物件は31件。戸建ての物件じたいが少ない。そのうち築50年以上の古民家物件は2件のみ。

北部エリアに2件しかないのだ!古民家の賃貸物件は異様に少ない。ちなみにこの2件、どちらも沖縄の古民家らしい建物だった。

 

「中南部エリア」の古民家物件数

街と自然をあわせ持つ中南部エリア
街と自然をあわせ持つ中南部エリア
中南部エリア 古民家 賃料(間取り)
那覇市46.5万(4DK)・6.2万(3LDK)
7.8万(5DK)・9万(6DK)
浦添町120万(3DK)
豊見城市0
西原町0
与那原町0
南風原町0
八重瀬町0
南城市0
糸満市0
宜野湾市0
北谷町0
中城村0
北中城村117万(3LDK)
沖縄市28万(5LDK)・6.3万(5K)
うるま市0
嘉手納町225万(4LDK)・15万(2LDK)
読谷村0
合計10
※2021年12月23日現在


次は中南部エリアを見てみよう。戸建ての賃貸物件が131件。そのうち築50年以上の古民家物件は10件だ。ちなみに10件すべて鉄筋コンクリート造で、沖縄の古民家らしさはなかった。

年季が入った外人住宅や、中南部の街エリアによくあるコンクリート建築物という印象だ。

 

【まとめ】沖縄本島の古民家物件数

中部エリア・北中城村の物件
中部エリア・北中城村の物件

沖縄本島(北部エリア+中南部エリア)全体でまとめてみよう。戸建ての賃貸物件が162件。そのうち古民家物件が12件で、沖縄らしい古民家建物は2件のみという結果だ。

そもそも、沖縄には戸建ての賃貸物件じたいが少ないのである。さらに古民家の賃貸物件となると、ハードルが高くなる。

 

沖縄には「空き家バンク」もほとんどない

空き家

「空き家バンク」とは、主に自治体が提供するサービス。空き家を貸したい人・売りたい人が、空き家バンクに登録して、自治体が情報を提供するものだ。

もちろん、自治体の仲介を入れずに、空き家のオーナーとそこに住みたい人が、直接交渉するタイプの空き家バンクもある。空き家バンクのメリットは、安く借りられること。


ところが沖縄には、この空き家物件がほとんど掲載されていない(※2021年12月23日現在)。各自治体は、空き家物件をLIFULL HOME’S空き家バンクat home空き家バンクに掲載している。

こういった物件情報を見るのが好きでよくチェックするのだが、沖縄の空き家物件はほとんど見かけない。


時々、離島での空き家情報が数件だけ掲載されている。以下は、石垣市の空き家バンクシステム。現在2件登録されているが、県外の空き家物件と比べると高い(※2021年12月23日現在)。

空き家バンクシステム | 石垣市移住定住支援ポータルサイト



県外の空き家物件はもっとある。特に、北海道や奈良県・石川県あたりが多い。ただ、沖縄には空き家物件がほとんどないのが現状だ。さぁ、古民家物件どう探していこうか!?

 

古民家探し①地域の人との交流から

沖縄北部で賃貸の古民家を本気で探しているのなら、この方法が見つけやすい。とはいえ、自己責任だ。

地域の人との交流が好きだったり、コミュニケーション能力が高ければラクかもしれないが、時間はかかる。


私のまわりでも、個人間のやりとりで空き家を借りている人はそこそこいる。なかには、無料で借りているなんていう人もいる。

地域の人との交流の中で、空き家を探していることを伝えておけば、情報が入ってきやすい。可能なら、住みたいエリアにとりあえずの拠点を置き、地域の人と交流しよう。

 

古民家探し②自分で空き家を探し、交渉

国頭村の集落
国頭村の集落

自分が暮らしたいエリアを歩きながら、「空き古民家」を探すというちょっと大変な方法だ。めぼしい空き家があれば、次は所有者探しをする。

どのようにやるのか?というと、ご近所さんに聞いたり、表札の名前や住所などをチェックし、それを役場(役所)に持っていき聞いてみる。


所有者が分かれば、連絡をとって直接交渉。大変な方法なので、長期戦で楽しみながらやると良い。

 

古民家探し③定住促進住宅の利用

国頭村の定住促進住宅
国頭村の定住促進住宅

やんばる3村の、国頭村と東村には「定住促進住宅」がある。国頭村の定住促進住宅は、空き家を改修したれっきとした古民家が多い。

だた、残念ながら、国頭村に6件ある定住促進住宅(古民家)は、すべて埋まってしまっている(※2021年12月23日現在)。


空きが出ると、国頭村役場ホームページの「新着情報一覧」に掲載されるので、チェックしておくと良い。
 



もう一方の東村の定住促進住宅は、古民家ではない。鉄筋コンクリートの平屋建てだ。ちなみに、マンションタイプの定住促進住宅もある。

こちらは現在、戸建てタイプの募集をしている(2022年1月13日現在)。とはいえ、状況は変わりやすいので東村役場ホームページの「新着情報一覧」で確認するか、役場に直接聞いてみよう。
 

古民家探し④稀にジモティーに掲載

たまに、ジモティーに古民家物件が掲載されている。物件サイトの賃料と変わらいものがほとんどだが、運が良ければ格安の古民家物件に出会えるかもしれない。

ただ、残念ながら、古民家を提供する人より、古民家を探している人の方が多い。「ジモティ沖縄版」の「不動産」カテゴリで、「古民家」で検索してみよう。

古民家探し⑤安さを求めないならネットで探す

この記事を読んでいるあなたは、おそらく安く借りられる古民家物件を探しているだろう。だから、ネットでは望むような物件が出てこないかもしれないが、上記の賃料ぐらいならたまに出てくる。

とはいえ、上記の物件は4Kの戸建てで、家賃65,000円。ネットに出てくる情報の中では、安い方だ。

個人間やりとりでの「賃貸契約」は?

古民家

個人間でのやり取りの場合、格安で借りられたり、仲介手数料が不要などのメリットがある一方で、仲介業者がいない分、面倒なことも出てくる。

民法の「諾成契約」では、契約書の作成は必須でなく、貸主・借主の合意があればOKだ。けれど、契約書がないために、後々トラブルになることもある。


特にいちばん多いトラブルが、原状回復。退去するとき、借主がどこまできれいにして戻すか?を事前に話し、契約書を作成しておくと良い。

契約書の作成方法や雛形などは、ネットでググると出てくる。

 

沖縄古民家の「賃貸物件」なぜ少ない?

そもそも、沖縄に空き古民家は存在しているのに、賃貸に出ている物件はほとんどない。これは何故なのだろう?

 

仏壇問題

仏壇

沖縄には、先祖崇拝というお墓参りを大切にする風習がある。例えば、やんばるの国頭村で生まれ育った男性がいるとしよう。

彼は、仕事の都合で、国頭村の実家を離れ家を出た。その後兄弟もみな、それぞれの都合で実家を出た。そして両親は他界し、実家に仏壇が置かる。


誰もいなくなった実家(空き家)に仏壇があるため、正月やお盆など定期的に、実家(空き家)で兄弟たちが集合するわけだ。

このように、誰も住んでいない空き家ではあるが、仏壇があることで、売買や賃貸に出せないという古民家が多くある。

 

資金問題などで賃貸に出せない

空き家(古民家)を所有しており、売りたい!貸したい!と思っていたとしても、「その方法が分からい…」「相談相手がいない…」「時間がない」などの理由から、行動にうつせない人も多い。

特に賃貸の場合、補修や改修が必要な場合も多く、資金が必要になる。資金不足などの理由から、賃貸に出すことを諦めるケースもあるだろう。

 

消えゆく沖縄の伝統古民家

戦前の沖縄には、木造住宅の伝統古民家が多く存在していた。しかし、戦争で破壊してしまったり、老朽化のため取り壊された古民家が多くある。

その後、木造古民家は建てられなくなり、アメリカの建築技術の影響などから、台風に強いコンクリート住宅が一般的になっていく。

そのため、特に中南部エリアでは、沖縄の伝統古民家の姿が消えつつある。

 

【結論】沖縄古民家の「賃貸物件」は長期戦で探そう!

南国沖縄で、風情ある古民家暮らし。一度は、そんな暮らしもしてみたい。そして、古民家ならば安く借りたい。けれど、沖縄での賃貸古民家は少ないのが現状だ。

とはいえ、安さにこだわらず、少々高くても良いのであれば、根気良くグーホームうちなーらいふをチェックしてみよう。


「安さ」や「やんばる」にこだわるなら、地域の人との交流や、自分の足で直接交渉!という手段で探してみよう。

素敵な古民家暮らしができることを祈っている!

沖縄古民家のリアルを知ろう!

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3 古民家は賃貸がオススメ!だけど物件が少ない…どう探す?(この記事)

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