築70年!やんばる「古民家暮らし」の実情は?リアルに大変なことをお話しよう。

美しくリノベされたオシャレな古民家暮らし。そんなイメージを膨らませていませんか?それとは程遠い我が家ではあるが、やんばるでの古民家暮らしは一応実現した。

けれど、想像していた以上に、めんどくさいことも…。やんばるでの古民家暮らし…一体何が大変?どんな問題がある?築70年の古民家に住む、我が家のリアルな実情をお話しよう。


この記事は、沖縄の古民家物件を探すうえで役にたつように、3つのシリーズで構成しました。古民家物件を検討中であれば、参考になるはず!

沖縄古民家のリアルを知ろう!

沖縄古民家の特徴を知ろう!
2 築70年の古民家暮らしの実情!デメリットも知っておこう(この記事)
古民家は賃貸がオススメ!だけど物件が少ない…どう探す?

築70年!やんばるでの「古民家暮らし」のリアルな実情は?

それでは、沖縄やんばるでの古民家暮らしここが大変!なデメリットと、ここが最高!なメリットに分けて話していこう。

 

「ここが大変!」やんばるの古民家暮らし

「シロアリ」にうんざり!

我が家の古民家は、シロアリハウス。もちろん、そんなことなどつゆ知らず、入居を決めた。入居後、部屋の隅々に薄茶色の砂粒のようなものが落ちている。

「古い家だから木くずかな」などと考え、気にもしていなかった。だが掃除をしても、また違う日に落ちている。「なんなの?この砂粒…?」


流石に気になり調べてみると、シロアリのフンと発覚!この家、シロアリハウスだったのだ。

 

シロアリは、木材を食い尽くし家をダメにしてしまう。とはいえ、持家ではないので、そっちの不安はあまりなかった。(家主さん、ごめんなさい…)

何が嫌かって、クローゼットの天井からフンが落ち、洋服に付着していたり、寝室の天井からフンが降ってきたり…ぜんぜんリラックスできやしない。


あるときは、シロアリがたくさん飛び回っていたことも…。フンを見つけては、木材の小さな穴を探し、そこにシロアリスプレーを噴射する日々。

あとは、業者にも2回ほど来てもらった。シロアリとの格闘の日々から約1年。現在は、一応落ち着いてはいるが、今でもたまにフンが落ちている。シロアリの退治は難しいようだ。

シロアリで困ったら【シロアリ110番】


我が家で使っているシロアリスプレー。フンが落ちてきた木材から小さな穴を探し、そこにノズルの先端を当てスプレーしている。



沖縄の古民家・空き家のシロアリ被害はけっこう聞く。ジメジメした南国沖縄は、シロアリからしたら最高の環境だから、被害も多いのだろう。

 
チェック 沖縄古民家の購入を検討中の方へ
沖縄での古民家購入は、色んな意味でオススメしない。リアルに、シロアリ被害の話をけっこう聞く。購入する場合は、シロアリチェックなど慎重になった方が良い。

 

雨の季節は要注意!不快な「ヤスデ」の侵入

やんばるの古民家ならば、確実に出る「ヤスデ」。本土の人はあまり耳にしない生き物。でもやんばるでは、時期になるとウジャウジャ現れる。

体長25㍉ほどのヤスデは、短い足をたくさん持った多足類で、くねくねとまっすぐ歩く。雨が降ると、雨を避けるように家の外壁から這い上がり、わずかな隙間から家の中に侵入してくる。


人間に害を与える生き物ではないが、見た目が気持ち悪く「不快害虫」と言われている。特に、4月から6月・10・11月の梅雨や、雨がよく降る時期は要注意。

古民家は隙間が多く、入居当初、我が家にも嫌になるほど出た。



何度もスリッパでヤスデを踏み潰している。これが裸足だったら不快でしかない。あるときは枕の上を歩いてて、ギョエー!っとなった。

「そんなの気にならない」という方は必要ないが、私のようにギョエー!となってしまう人は、隙間対策は必須!我が家は隙間が多くて、2日間かけて業者に作業をしてもらった。

また、家の周りは、定期的に薬剤を散布するなど必須だ。そんな対策の甲斐あり、ヤスデの侵入は減ったが、時期になれば多少は現れる。


我が家で使っている粉剤。月に1回か2ヶ月に1回、定期的に家の周りにまいている。

生き物好きにはたまらない。けれど…

やんばるの魅力でもある生き物。やんばるの集落暮らしをしていれば、天然記念物や固有種と言われる生き物を日常的に見ることができる。

そんな反面、虫や爬虫類が苦手な人にとっては問題だろう。特に古民家は隙間が多く、虫も侵入しやすい。


よく入ってくるのは「ヤモリ」。やんばるに限らず沖縄全般にいる。暖かい季節になると、家の中でよく見つける。

益虫だが、見た目が苦手な人も多い「アシダカグモ」や「ゲジゲジ」も、たまに現れる。

 

夜、扉を開けた時、やんばるにしか生息しない「オキナワイシカワガエル」が、ピョーン!と入ってきたこともある。

さすがに、ヘビは家にまで入ってこないが、庭では、カエルやトカゲ・ヘビなど時々見かける。


ハブも出たことがあるが、基本的に向かってきたりはしない。夜行性なので、夜出歩く時は、注意しながら歩こう。

  

沖縄の古民家はカビがすごい!

温暖な気候と、湿度の高い南国沖縄。カビが生えやすいのは、湿度が高い環境だけでなく、湿度を溜め込みやすい古民家の作りにもある。

木造じたいが、水分を吸いこみやすく湿気に弱い。それだけでなく、床下など防湿対策が施されていない古民家がほどんど。

「湿度が高い沖縄」にプラスして「古民家」となれば、カビがすごいのだ。


私の沖縄最初の移住地は、中南部エリアの西原町。鉄筋コンクリートのマンション住まいだった。だから比較できるのだが、今の古民家の方が断然カビが発生する

本棚の裏にカビが生え、シューズボックスにもカビが生え、押し入れに入っていた革製の装飾品は、カビでダメになって処分…など。


それからは、カビが発生しやすい場所は、こまめに掃除するようになった。また、湿度が高い4月から10月は、2台のエアコン(除湿)を1日稼働している感じだ。

 

生活インフラが整っていない?

古民家や田舎暮らしの場合、水道や排水、ガス、電気などの生活インフラも、入居前に確認しておいた方が良い。インフラが通っていないがために、余計な出費がかかることも。

我が家の場合、今まで200ボルトのエアコンを使っていた。どの家でも難なく使えていたのだが、現在の古民家では使えなかった。

そのエアコンを使うために、電線を引いたりなどの電気工事が必須。予算は15万越え!


他にもある。私が住む国頭村のとあるエリアは、ソフトバンク回線が使えない。引越し後にそれを知った私は、1ヶ月間、電話ができない状態だった。

なんで1ヶ月も?という理由をここに書くと、長くなるので端折ってしまうが。ちなみ沖縄は、全般的にau回線が強い。

  

その他色々

他にも、細かいものをあげたら切りがない。古い家の独特な臭いは消えないし、壁が薄く隣の部屋の声は筒抜け。

浴槽はなくシャワーのみだから、肌寒い冬は湯船に浸かりたくなる。庭でのバーベキューなど楽い反面、庭の手入れはめんどう…などだろうか。


建物が古いので、耐震性や耐久性への不安も無いと言ったら嘘になる。古民家だけにセキュリティなんてない。田舎暮らしだと、セキュリティという概念すら忘れてしまうが。

「ここが最高!」やんばる古民家暮らし

家賃が安い?お金のゆとりは心のゆとり

古民家は、売買も賃貸も安いものが多い。かくいう私も、5DKの庭付きで、家賃36,000円。

とはいえ、運よく安い賃貸で暮らせているが、沖縄の古民家は決して安くはない。日本全国の古民家物件と比べると高い!


しかも、やんばるに古民家や空き家はたくさんあるが、探すのは大変だ。ネットで探すと「こんな田舎で、この家賃設定?なぜ?」と思ってしまうほどだ。

なので、「家賃が安く、生活にゆとりができた!」というのは、私個人の話かもしれない。

 

やんばるの古民家は広い?

我が家の古民家は、建物面積55㎡だが、敷地面積は170㎡と広い。とはいえ、裏庭の草ボーボー地帯も敷地面積に入っているので、実質的には100㎡ほど。

夫婦2人と子ども1人の3人家族には十分の広さだ。やんばるの古民家は、本土の古民家と比較するとやや狭い印象もあるが、戸建てはやっぱり広い!

 

庭での楽しみが増える!

バーベキューやキャンプが好きなので、月に一度は、庭でバーベキューを楽しんでいる。やんばるの森と波音、鳥のさえずりを聞きながらのバーベキューは最高だ!

また、庭があれば家庭菜園などもできてしまう。

 

その他

DIYがしやすい!
我が家の場合、DIYはあまり興味がないが、他の古民家さんを見ていると、自分好みの空間にアレンジしている人が多い。


子供の足音にイライラしない!
マンション暮らしだと、子どもの足音にイライラすることもあるはず。ドタバタうるさい足音に、いちいち注意をしなくて良いのは嬉しい。

【私の結論】古民家は微妙…でも、やんばるは最高!

この記事を書くにあたって、沖縄古民家のメリットを考えたとき「あまりない…」と言うことに気づいてしまった。だって、シロアリ出るし…カビがすごいし…虫苦手だし臭い…。

防湿対策とリノベされたキレイな古民家ならまだしも、クリーンな環境を好む私にとって、沖縄古民家は微妙だ。


しかし、私はここでの暮らしが気に入っている。シロアリもいるし、カビもすごいし、変な虫も入ってくるが、ここが好きなのだ。

やんばるの大自然と調和したここでの暮らしは、沖縄古民家のデメリットを消してくれる。やんばるは、それを凌駕するぐらい心が豊かになる自然があるよ!ということだ。

沖縄古民家のリアルを知ろう!

沖縄古民家の特徴を知ろう!
2 築70年の古民家暮らしの実情!デメリットも知っておこう(この記事)
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