
「やんばる」とは、漢字で「山原」と書き、沖縄北部の山々が連なり、森が広がるエリアをそう呼びます。そんなやんばるの森が、ついに世界自然遺産に!(2021年7月26日に登録)
手つかずな大自然の宝庫!やんばるの自然を紹介しましょう。
世界自然遺産「やんばる」の豊かな自然を紹介!


海のイメージが強い沖縄。ですがやんばるには、連なる深緑の山々・思わず深呼吸したくなる亜熱帯植物の森林・豊かな緑を囲む美しい海、そんな風景が広がっています。
特に「やんばる3村」と言われる国頭村・大宜味村・東村は、75%以上が山や森!この数値は、他の市町村と比べても非常に高いのです。
やんばるの中心を連なる山


やんばるの中心には、最北の国頭村から南の名護市に向かって山々が連なっています。沖縄本島でいちばん高い山が、国頭村にある与那覇岳(503m)。
2番目に高い山は、本部町の八重岳(454m)・3番目に高い山は、名護市の嘉津宇岳(452m)です。
やんばるは奇跡の森!



亜熱帯植物が広がるやんばるの森は、ジェラシックパークのようなワイルドな雰囲気があります。

北緯27度付近に位置するやんばる。同緯度の地域を見ると、リビアのサハラ砂漠やインド・メキシコなど、乾燥しやすいエリアばかり。
ですがやんばるの場合、赤道直下から流れてくる温かい黒潮(海流)や、モンスーン(季節風)の影響で、たくさんの雨が降ります。
温暖な気候で、暖かく湿った空気が、潤いある豊かな亜熱帯の森を作っているのです。
同緯度で森林がある地域は、やんばるの他に台湾・東南アジアの一部・フロリダ半島の一部のみ。世界的に見ても希少で珍しい、奇跡の森なんですね!
多彩な生き物が集まる「やんばるの海」



やんばるの山や森から流れる清流は、川から海へと繋がっています。豊かな緑を囲む、やんばるの美しい海は日常の風景。
海の浅瀬(イノー)には、豊かに育った珊瑚礁があり、そこに魚類やカニ・えびなどの多彩な生物が集まっています。
世界自然遺産の「やんばる」




やんばる3村(国頭村・大宜味村・東村)は、2016年9月15日に環境省より「やんばる国立公園」に指定されました。
そして今年(2021年7月26日)、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会にて、ついに!世界自然遺産に登録!
日本全体の0.1%にも満たない面積のやんばる3村。ですが、日本全体の鳥類の約半分、在来のカエルのうち約1/4の種類が存在するほど、多くの生物が生息しています。
ヤンバルクイナやオキナワイシカワガエルといった、やんばるにしか生息しない多種多様な固有種が多く存在します。